【急告】新型コロナのデマ・ウイルスには「ソ・ウ・カ・ナ」が効く!

「みんなマスク」の写真?「マスクが多い所を切り取った」写真?
「みんなマスク」の写真?「マスクが多い所を切り取った」写真?

世界に広がりつつある新型コロナ・ウイルスと、それに関する怪しい情報=“デマ・ウイルス”。どちらもヒト・ヒト感染が同時拡大しているが、感染力は、デマ・ウイルスの方がはるかに強力だ。

「私は大丈夫だろう」と思っている、そこのあなた! 本物のウイルスもデマ・ウイルスも、無自覚な保菌者によるバラマキが一番迷惑なんだから、ここはきっちり社会の一員として、防衛に参加しなければ! ―――って、でもどうやって?

本物のウイルスも情報のウイルスも、対処法は同じだ。かかった後なら、治療する。かかる前なら、予防する。

デマへの《治療》法は、解熱剤を打つように、正しい情報を上書きすること。今まさに、ファクトチェックという対症療法の薬が、各国で懸命に投与されている。デマが広まるたびに「本当はこうです」という根拠つきの情報で火消しする、大切だが果てしないモグラ叩きだ。

では、これからデマに接しても感染しない、《予防》法は? ただ「気をつけて」と言われてもどうすれば良いのかわからないが、実は、かなりよく効く“4つの呪文”ワクチンがある。今回実際に出現しているデマ・ウイルスのパターンを例に、見ていこう。

 

 

【呪文1】「まだわからないよね?」……[ソ]ク断するな

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基本中の基本。初耳の情報と出遭ったら、とにかくこれをつぶやいて、一旦止めよう。
「実は史上最凶のウィルスと判明!」「予防には●●を飲むといい!」などという、それだけ見てもホントかウソか見分けがつかない情報は、とりあえず保留する。

保留して、自分で調べるのが面倒だったら、信じ込みも言いふらしもせずにただ頭の片隅に置いておく。で、続報と出会うたびに以下の3つの呪文を当てはめながら、「これは本当っぽいな/怪しいな」と、だんだん真偽を詰めていこう。

確認していない話をSNSで気軽に拡散してしまうのは、検査を受けずに咳をしながら人混みに出て行くのと同じことだ。特にフォロワーが多い人は、感染力の強い“スーパースプレッダー”になってしまうかもしれないから、要注意!

 

 

【呪文2】「報告かな、意見・印象かな?」……[ウ]呑みするな

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情報には、《報告》と、それを伝えている人の《意見・印象》とが、ゴッチャになっていることが多い。そのままウ呑みにせず、ちゃんとこの2種類を仕分けよう。

「武漢には病原体研究所があり、そこからウイルスが漏れたのかも」と聞いても、「そうなのか!」とウ呑みせず、まず仕分け。前半部分(研究所があるという報告)は数年前の他メディアの記事も添えられているから、どうやら本当かも知れないが、後半(そこから漏れた)は、証拠が示されていない。つまり、その情報を発した人の1つの推測(意見・印象)だな…と、何も自分で新たに調べなくても、見分けることができる。

そこをきちんと分けないと、早とちりして末尾の「かも」をスッ飛ばし、「そこから漏れた」と自分で断定的に思い込んでしまうから、要注意!

 

 

【呪文3】「他の見え方もないかな?」……[カ]タよるな

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1つの情報源から聞いただけで、話を決めつけないこと。「感染対策で東京オリンピック中止」といった情報を見ても、あわてて拡散する前に1分でいいから、他の情報源でも同じ話が流れているか、見てみよう。

ポイントは、《人数ではなく、情報の種類の数でカウントする》こと。検索で同じ話が5万件ドッと並んでも、ネタ元が複数見出せなかったら、それは「5万ではなく、1」と数えよう。「大勢が言ってるから本当だ」などという判断基準は、持たないこと。地味な事実より派手なデマの方が、多くの人が反応してしまう可能性があるのだから。「こんな重大な情報が、1つの出所だけに片寄っている。これはデマかも…」と、思いとどまるべし。

これから増えていく精巧なフェイク動画にも、この判断方法で向き合おう。どんなに本物っぽく見えても、「1」でしかない(他の裏付けが何もない)うちは、100%は信じ込まぬよう、要注意!

 

 

【呪文4】「隠れてるものはないかな?」……[ナ]カだけ見るな

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別に悪意のデマや隠ぺいでなくても、情報というものは元々、全て“スポットライト”だ。そこには必ず、“周りの暗がり”がセットで存在する。だから、照らし出されたスポットライトの中だけ見て「これが全てだ」と思い詰めず、周囲にまで想像の窓を広げよう。

「致死率3%」という情報はデマではなくても、死者にだけスポットライトを当てている。そこだけ見ると、「新型肺炎は死んじゃう病気だ!」という感覚がふくらんで、実数以上の過剰な恐怖心に囚われる。その時、視野の外に97%の生存者がいることに思い至れば、(油断せよとは言わないが)この情報の受け止め方は適正な警戒レベルに落ち着く。

単なる「空港で倒れている人の写真」。それだけならただの事実だが、「これも新型コロナの影響に違いない」という思い込みのスポットライトを当ててしまうと、もう恐怖写真にしか見えなくなる。そこで、外側に押しやられた「他の原因で倒れている可能性」まで想起できれば、「ただ飲みすぎで酔いつぶれているのかもな」などと、冷静に保留することができる。

「死者は●万人に達すると専門家が予測」といった、まだ確定できない“説”のような情報。それを聞いたときにも、「このスポットライトの外には、違う説を唱えてる専門家もいるかもな」と、別の情報が今後入って来る余地を頭に残す。たまたま目に止まった1つの説で早々と断定・〆切りをしないよう、要注意!

 

 

【まとめ】[ソ][ウ][カ][ナ]で、パンデミックを阻止しよう

各地で下村式“4つの呪文”の授業・企業研修を実施中
各地で下村式“4つの呪文”の授業・企業研修を実施中

というわけで、これからデマ・ウイルスに感染したくなかったら、不確かな情報に出会うたび、以上4つの呪文ワクチンをつぶやいて「ソ・ウ・カ・ナ」(ソク断・ウ呑み・カタ寄り・ナカだけ)の自戒をしっかり励行しよう。他力本願で、いちいちファクトチェックの対症療法薬に頼ってばかりいないで、まずは自分の体質改善だ。

本物のウイルスは、マスクや手洗いやうがいをいくら励行しても、完全な流行阻止は難しい。けれど、感染のリスクを低くすることはきっとできる。デマ・ウイルスによる情報災害も、呪文ワクチンによって完全な《防災》はできなくても、かなりの《減災》はきっとできる。

これから更に変異や強毒化をして来るかもしれない、今回のデマ・ウイルス。新型コロナ・ウイルス対策と並行して、我が身を守る《自衛》のためにも、社会を守る《責任》のためにも、そのパンデミック(感染爆発)をなんとしても食い止めよう!

※参考文献 : いずれも下村著

「10代からの情報キャッチボール入門」(岩波書店)

「窓をひろげて考えよう〜体験!メディアリテラシー」(かもがわ出版)

「想像力のスイッチを入れよう」(小学5年国語教科書/光村図書)

書いた人 下村健一 24 Articles
若手メディア人の勉強会「令和メディア研究所」主宰。インターネットメディア協会(JIMA)リテラシー担当理事。TBS報道局アナ(スペースJ、等)15年、フリーキャスター(筑紫哲也NEWS23、サタデーずばッと、等)10年。その後、内閣審議官等のポストで計約900日、民主・自民の3政権で首相官邸の情報発信に従事。東京大学客員助教授、慶應義塾大学特別招聘教授、関西大学特任教授などを経て、現在は白鴎大学特任教授。小学教科書の執筆から企業(新人〜経営者)研修まで、幅広い年代のメディア・情報教育に携わる。

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